2008年刊(雑誌「ダ・ヴィンチ」掲載作5篇+書き下ろし)
福田パン、冷麵、小岩井農場ソフトクリームなど岩手の飲食物が小物として登場
宮沢賢治にまつわる地、岩手県にあるという【イギリス海岸】を鍵に繋がる6つの短篇を収めた1冊。この作家の本は初めて読むが、うーん…。軽い文体(片仮名の使い方はわざとなのか)、あまりにも起伏のない話筋(事件の前日譚のみを集めたかのよう)、魅力的な登場人物の不在。ここまで何気ない日常を描くのであれば、せめて描写文体の美しさ確かさを示して欲しかった。私にとっては完全に理解の範疇の外側にある作品。
なお、作品中では実在の岩手県の飲食物が登場する。小説としては全くお薦めできないが、岩手出身の方には懐かしく思えるのでは。
目次
- 福田パン
- イギリス海岸
- 中庭
- ソフトクリーム日和
- 帰郷
- クリスマスの音楽会
本書で言及されている食物関係のお店
書籍情報
2008年刊(雑誌「ダ・ヴィンチ」掲載作5篇+書き下ろし)