2006年刊
海亀の胸肉、ザリガニ、山蛭…日常の半歩外側で供される非日常の味
日常を示す境界から、ほんの半歩はみ出してしまったところにある世界を描く幻想短篇小説7篇を収めた1冊。うち2篇において、現代日本ではあまり一般的とは思われない皿が登場する。
思い込みのせいか微かな生臭さを感じたものの、見た目のとおり馬肉や鹿肉に似た味がした。上品な肉質で食べ飽きない。しかし癖がないのはわずかな部位で、とりわけ脂にはきつい臭気があるという。
個人的には海亀といえば「世にも奇妙な物語」のよくできた1話「海亀のスープ」を思い出す。ご興味のある向きは、是非こちらも探して御覧あれ。
収録作品
※以下、()内に各章にて言及のある料理名/食材名を示す
- 夕化粧
- ピカルディの薔薇
- 籠中花(ウミガメ胸肉の刺身)
- フルーツ白玉(キビャック:イヌイット独特の醗酵食品/雀の丸焼き/内田ザリガニ/山蛭)
- 夢三十夜
- 甘い風
- 新京異聞
書籍情報
2006年刊