2015年刊
東京・合羽橋。料理道具の専門商店街として名高く、近年は外国人観光客の姿もかなり多く見かける。プロの料理人が使う湯船に使えそうな大鍋やお鍋として使えそうなおたまから、こだわりの一品制作に強く愛着する趣味人の心を巧みに擽る焼き鏝やパン・菓子型など、懐広く深い料理の迷宮。料理好きが迷い込めば、まる1日はそこに足止めされ且つ手ぶらでは出られない。本書はその合羽橋道具街に店舗を構える【釜浅商店】4代目が物した、料理道具との付き合い方指南本である。
永く使うことができる、これも良い道具である条件のひとつだと思います。ただ、そのためには愛情を持って手入れをする必要があり、ものによっては使う前にいろいろと馴らしをしていい状態で使える調整をしなければなりません。使い始めてからもこまめに手入れをしていかないと、道具が持っている本来の力を引き出せない。
引用元:「創業明治41年 釜浅商店の「料理道具」案内 」
具体的な取り扱い対象は下段目次を参照されたし。少々取り散らかった感のある編集だけれど、そこにはどことなく自分の好きなものについて熱く語っている人の口調を思わせる。殊に熱を帯びるのはお手入れ方法についての説明。空き家が急速に傷むように、道具も使い込まなければ真価を発揮しない。良い道具を大切に、長く使っておいしい手料理を。
目次
- はじめに
- 暮らしを豊かにする道具には「理」がある - 鉄瓶、鉄釜、鉄鍋、和庖丁、洋庖丁、フライパン、行平鍋
- 道具との関係は、「育てる」ことから始まる - 南部鉄瓶、鉄釜、南部浅鍋、出刃、柳刃、鉄打出しフライパン、アルミ姫野策本手打行平鍋
南部鉄器編
- 道具の「物語」に触れてみましょう!
- ずっしりと重たいのにはワケがある
- 一点一点を熟練の職人が手作業で作る
- 22cmの南部浅鍋で、こんな料理ができる!(トマトすき焼き、じゃがいものグラタン、煮込みハンバーグ、小松菜と油揚げのちりめんあえごま油炒め、チキングリル)
- しっくりとなじみながら、いつもの日常を上質に変える
- 実物を手にして、道具に話しかけてみる
- 手間をかけ、使う出番を増やすと道具も喜ぶ - 育て方の4鉄則
- 【プロの使い手を訪ねる】和食「髙野」(東京・銀座)店主の髙野正義さん
- Q&A 南部鉄器編
- 合羽橋に外国人が押し寄せる?!
庖丁編
- 古から日本人の食文化を刻んできた
- 課せられたひとつの使命を頑固に貫く
- なんでもこなす万能選手をそろえる
- 職人が技をつないで最高の切れ味を究める
- 庖丁をよく知るプロに相談してみる
- 道具を育てる時間が研ぎ澄まされてくる - 育て方の4庖則
- 【プロの使い手を訪ねる】日本料理「魚のほね」(東京・恵比寿)店主の櫻庭基成郎さん
- Q&A 庖丁編
- パリで日本の料理道具が大人気!
フライパン編
- 一長一短があることを知っておく
- 凸凹とした顔は次第に表情を変えていく
- お約束を守っていけば、自分だけのフライパンを手に入れられる - 育て方の4フライパン則
- 【プロの近い手を訪ねる】ビストロ「organ」(東京・西荻窪)オーナーの紺野真さん
- Q&A フライパン編
- 釜浅商店2代目があの釜飯を考えた!
行平鍋編
- 身も軽やかにあれこれの注文に応える
- 職人の打つ軌跡が眩い輝きを放つ
- 【プロの使い手を訪ねる】寿司店「酢飯屋」(東京・江戸川橋)店主の岡田大介さん
- 初々しい輝きが使うほどに渋味を醸す変遷をとくと味わえる - 育て方の4鍋則
- 道具選び5つのアドバイス
"ひと手間"道具
- 【"ひと手間"道具1】鰹節を削る
- 【"ひと手間"道具2】薬味をおろす
- 【"ひと手間"道具3】銀杏やごまを煎る
- 【"ひと手間"道具4】ごはんを写す
- 【"ひと手間"道具5】炭火で焼く
- 【"ひと手間"道具6】熱燗をつける
- 【"ひと手間"道具7】卵を焼く
- 【"ひと手間"道具8】肉を揚げる
- 【"ひと手間"道具9】本格的に蒸す
- 【"ひと手間"道具10】魚をさばく
- 道具との距離感が縮まる「銘入れ」
- 炭火焼ロースター「YK-T」はこうして誕生した!
- 野村友里さんと、18cm鉄打出しフライパンで料理を作ってみました
- おわりに 道具との接し方を今一度、見直してみませんか?
- 年表 釜浅商店のこれまでの歩み
2015年刊